読書支援機器貸出事業「みかん箱プロジェクト」
目次
2025年8月6日
みかん箱プロジェクトについて
プロジェクトの目的
筑波技術大学読書バリアフリーコンソーシアム テクノロジーハブでは、読みづらさを経験している方々を対象に、読書および関連するテクノロジーに関する情報発信を行っています。その取り組みの一環として、読書支援機器の貸出事業「みかん箱プロジェクト」を試行します。
「みかん箱プロジェクト」では、つくば市立中央図書館および取手市立取手図書館の協力のもと、読書支援機器のセットを貸し出します。具体的には、タブレット、デイジー機器、入力装置(スイッチおよびインターフェース一式)、アーム、スタンドを貸し出し、実際に体験していただくことで、読書にはさまざまな形があることを知っていただき、自分に合った読書方法を見つける手助けとなることを目指します。
筑波技術大学では、プロジェクトに参加する皆様からのフィードバックをもとに、公共図書館等が読書支援機器の貸出を運用する際に必要となるリソースを整理し、「みかん箱プロジェクト運用モデル」として公表する予定です。
こうした活動を通じて、障害者の読書とテクノロジーに関する普及啓発を進めるとともに、視覚障害者等の読書支援に関するリソースの拡充を図っていきたいと考えています。
プロジェクトの対象者
つくば市および取手市内に所在する団体
※例外については窓口図書館と筑波技術大学が協議の上対応いたします
プロジェクト実施期間
2025年9月~12月
貸し出し費用
無料
貸し出し手続き
「読書を支援する機器セット貸出申込書」にご記入の上、つくば市立中央図書館または取手市立取手図書館(以下「窓口図書館」)に、貸出希望日の2週間前までにお申し込みください。申込方法は、窓口への直接のご来館のほか、メールまたはFAXでも受け付けております。
貸し出し期間
貸出期間は4週間です。読書支援機器セットの送付および返送に要する日数を含みます。
禁止事項
- 貸し出した物品を第三者に譲渡、転貸、または担保として利用することはできません。
- また、ハードウェアおよびソフトウェアの設定を許可なく変更しないでください。
損傷・紛失時の対応
- 返却時に「読書を支援する機器セット貸出申込書」記載のリストと照合し、全ての機材が揃っているか確認してください。
- 貸し出した物品を損傷または紛失した場合は、速やかに窓口図書館へご連絡ください。
- 損傷・紛失が、利用者の管理不備または禁止事項に違反したことによる場合は、損害の実費をご負担いただくことがあります。
その他
- 機器の貸し出しに関して想定外の事態が発生した場合は、利用者、窓口図書館、筑波技術大学が協議の上で対応します。
- 物品返却の際は、個人情報や個人的なデータを消去してください。
- 読書支援機器貸出事業「みかん箱プロジェクト」の今後の運営に活かすため、アンケートへの回答や、活用された際のご様子を映したお写真の提供をお願いいたします。提供いただいた情報は個人情報保護方針に則り、プロジェクトの評価や広報等に活用させていただく場合がございます。
貸し出す機材について
1. タブレット
タブレットがあれば、市販の電子書籍を、電子書籍ビューアや電子図書館、デジタル教材アプリ、スイッチなどを活用して、さまざまな方法で読む体験ができるようになります。また、紙の書籍にアームや拡大鏡アプリを組み合わせて、見え方を調整しながら読むことも可能です。
みかん箱プロジェクトで貸し出すのは、電子図書館アプリ、電子書籍ビューアアプリ、拡大鏡アプリ、デイジー図書アプリ、デジタル教材アプリをインストールしたiPadです。
iPad Mini、iPad Air(タブレット)
- マニュアル(公式)https://support.apple.com/ja-jp/docs/ipad
- iPadのアクセシビリティ(ATティービー)https://youtu.be/Uc8gYospJnc?feature=shared
- 全盲者でも使えるスマートフォンの簡易マニュアル(視覚障害者パソコンアシストネットワーク SPAN)https://span.jp/iOS_manual/iOS_Manual_Ver1.pdf
- 視覚障害者用iPhone操作マニュアル(広島市視覚障害者福祉協会)https://hiroshimashi.shisyokyo.jp/renshuu/manual/iphone2110
Books(電子書籍ビューアアプリ)
拡大鏡(アプリ)
- マニュアル(公式)https://support.apple.com/ja-jp/105102
- iPadのアクセシビリティ(ATティービー)※18分30秒頃~ https://youtu.be/Uc8gYospJnc?feature=shared
UD-Book(デジタル教材アプリ)
- マニュアル(広島大学UD-Book教科書)https://home.hiroshima-u.ac.jp/ujima/onsei/3riyouhou.html
UDブラウザ(デジタル教材アプリ)
- 操作マニュアル(慶應義塾大学中野泰志)https://psylab.hc.keio.ac.jp/app/UDB/manual/manual.pdf
- 「UDブラウザ」で紙資料をデジタル化(ATティービー)https://youtu.be/MIVqvQfeyEU?feature=shared
2. デイジー機器
デイジー機器は、デイジー図書を再生するための機器です。図書館で製作したデイジー図書のデータを格納して貸し出したり、みなサーチやサピエ図書館などで検索して、デイジー図書を所蔵する他館からデータを入手し、機器に保存した状態で貸し出したりすることができます。
みかん箱プロジェクトで貸し出すのは、携帯型のポケブック Vine C1です。ボタンが6つのシンプルな構造で、直感的に操作できる点が特徴です。MP3やテキストデータにも対応しています。
ポケブックVineC1
- 取扱説明書(公式、PDF)https://www.sgv.co.jp/pdf/manual/current_models/pokebook-vine.pdf
- 取り扱い説明書(公式、音声)https://www.sgv.co.jp/audio_manual/pokebook_vinec1.html
3. 入力装置(スイッチ、スイッチインターフェイス、アダプター)
このプロジェクトで貸し出すスイッチは、上肢に障害がある人が使用する入力装置です。タブレット/スマートフォン、アダプター、スイッチインターフェース、スイッチの4つを組み合わせて使用することで、手で本をめくることができない方でも、電子書籍のページを自分のペースでめくりながら読むことができます。
- スイッチとタブレットを使って電子書籍を読む方法(筑波技術大学テクノロジーハブ)https://www.i.tsukuba-tech.ac.jp/techhub/241021-2/
みかん箱プロジェクトで貸し出すのは、最も安価な手で押すタイプのスイッチです。実際にはさまざまな種類のスイッチがあり、手押し式のほかに、顔や目、足の動き、呼気などで操作するタイプもあります。これらのスイッチについては、国立障害者リハビリテーションセンターが作成している「意思伝達装置用スイッチ」一覧ページに詳しく紹介されています。
- 国立障害者リハビリテーションセンター「意思伝達装置用スイッチ」https://www.rehab.go.jp/ri/kaihatsu/itoh/com-sw.html
4. アーム
アームは机などにネジでがっちり固定することができ、操作時の揺れが少ないものを貸し出します。揺れるものは、読書中に気分が悪くなってしまうことが多いからです。
5. スタンド
スタンドは高さや角度を調節することができ、揺れが少ないものを選んでいます。折りたたんで持ち運ぶことができますが、少し重たいです。
個人情報保護方針
読書支援機器貸出事業「みかん箱プロジェクト」は、筑波技術大学読書バリアフリーコンソーシアムテクノロジーハブ(以下、テクノロジーハブ)が管理運営しています。
プロジェクトへのご参加にあたり、利用者の皆様からご意見を集約いたしますが、その際には「国立大学法人筑波技術大学個人情報保護規則」(平成17年10月制定)に則り、以下のとおり個人情報の保護に努めます。
国立大学法人筑波技術大学個人情報保護管理規則(抜粋)
個人情報の取得について
テクノロジーハブでは、利用目的を本人に通知した上で本人の同意のもと、個人情報を取得します。取得にあたっては公正な手段によりこれを行います。
個人情報の利用について
テクノロジーハブでは、利用目的の範囲内で個人情報を取り扱います。本人の同意を得ずに、個人データを第三者に提供することもありません。
本プロジェクトにおいて取得した個人情報は、以下の目的に利用します。
(1)本プロジェクトの運営、維持、管理
(2)本プロジェクトに関する問い合わせへの対応
個人情報の管理について
テクノロジーハブでは、個人情報の漏えい、滅失、またはき損を防止するため、必要な安全管理措置を講じ、個人情報の保護に努めます。
保有個人情報の開示等について
ご本人から保有個人情報の開示、訂正又は利用停止の請求があった場合は、必要な手続きに基づき、適切かつ迅速な処理を行います。
お問い合わせ
このプロジェクトに関する問い合わせは、テクノロジーハブ事務局までご連絡ください。
筑波技術大学読書バリアフリーコンソーシアム テクノロジーハブ事務局
〒305-8521 茨城県つくば市春日4-12-7 TEL: 029-858-9582
謝辞
このプロジェクトは、文部科学省読書バリアフリーコンソーシアム事業、GAAD Japan 2025、JSPS科研費22K00281による支援を受けたものです。